法務局で調べられること・農地や山林の名義変更所有者や権利・位置と面積・境界や寸法を調べる

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法務局で調べられること

登記の情報は、所有者以外の方でも取れます

どのような登記原因であっても、不動産の名義を変えるにあたって一度は、取得しようとする不動産の『全部事項証明書(昔の言い方だと、登記簿謄本)』をとってみることをおすすめします。土地の名義変更であれば、『公図』の写しもとりましょう。他の項で説明したとおり、インターネット経由で登記情報を請求して取得してもかまいません。
さしあたり、これで目的不動産の権利関係と地理上の位置、だいたいの形や寸法がわかります。

山林の現状把握は困難です

山林の名義変更では、公図は信頼性が低い、というより紛争の原因になっていることがあります。これは測量技術が高くなかった時代に作られたものがそのまま残存していたり、山林そのものの財産価値が低くなってしまったために所有者の関心も低くなったなどさまざまな理由によるものです。地域によっては積極的に境界や所有者の探索に動いているところもありますが、全国的な動きではありません。

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登記事項証明書ってなに?

 自分の住宅を買った人は、司法書士から渡されてもっていることが多いと思います。登記事項証明書は土地ならば「所在」と「地番」、建物ならば「所在」と「家屋番号」がわかれば、他人の不動産についても当然に取得することができます。
 1通(1つの不動産)480〜600円で、どの法務局でも全国全ての不動産の登記事項証明書が取れるシステムが導入されています。

共同担保目録は『請求する』にチェックを

 登記事項全部証明書の交付申請書の書き方として、常に『共同担保目録を請求する』ように申請書を作成しておいてください。もらって損するものではありません。たとえあなた自身が記載を判断できなくても、登記相談に応じる法務局担当者や司法書士はそこからあなたに有益な(あるいは、不利益を予防する)情報を読み出すかもしれません。

 登記事項証明書に書いてあるのは、主としてその不動産にかかる権利の内容です。
抹消された登記事項には、アンダーラインが引いてあることに気をつけましょう。

登記事項証明書の記載所有者と権利を制限する登記

 不動産の現在の所有者はだれか、その所有者が取得したのはいつで、その理由は売買なのか相続なのか、こうした所有関係にかんするものは『甲区』に記載されています。

その不動産が住宅ローンなどの担保に入っていたり、賃借権が設定されているなどなんらか所有権を制限する権利がある場合には『乙区』にその権利の内容が書いてあります。まず乙区欄になにか権利が設定されているように書いてあったら、これからその不動産を買う買い主としては、その物件には買い主に対して説明を求めるべき事項があるな、と考えなければなりません。
 なお、差押・仮差押・買戻・仮登記といった文字がどこかにあり、それが抹消されていないなら、まずそこに書いてあることがらについて売り主に説明を求めた後、必ず法務局の登記相談か司法書士に相談することをおすすめします。これらの登記が抹消されずに残っている場合、あとで権利関係が不安定になったり、思わぬ損害を被ることがあります。

登記情報の見方はそれ自体一冊の本になるくらいの問題があり、参考文献は図書館で手に入れられることが多いので、むしろそちらを参照した方がいいと思います。

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登記情報からかならず確認しておきたいこと

所有者の登記情報上の住所と、現住所は違うことがあります

 不動産の名義変更にあたって、生きている人から不動産を譲り受ける登記(所有権移転登記)を行う前に、場合によっては別の登記を先行させておく必要があります。

 不動産を手放す人の住所が、現に住んでいる=印鑑証明書に書いてある住所と、登記事項証明書に所有者として記載されている住所と違う、という場合がそれです。『今回手放す不動産を取得してからいままでに、引っ越したことがある』という人が登記義務者(不動産を手放す人)である場合が、これにあたります。

 市町村合併で自治体の名前が変わるならいいのですが、住居表示が実施されて住所が変わった場合は、引っ越してもいないのに住所の変更の登記が必要だ、ということになります。ですから不動産の登記事項証明書を取ったら、甲区欄に書いてある所有者の住所はかならず確認してください。または、転居したことがあったり住居表示が実施されたりしたことがあると売り主さんから聞いたなら、登記事項証明書や登記情報の取得を先行させるべきです。

所有権登記名義人住所変更登記について

 この『登記情報として記録されている、所有者の住所の記載を現在のものに書き換える登記』は所有権登記名義人表示変更(あるいは、所有権登記名義人住所変更)登記といいます。
難易度としては自分でできるものですが、買い主側が本人で登記申請する気でいるのに、売り主側が『そんなこと(本人申請)に協力できない』という場合、この登記だけ前もって売り主側に発注しておいてもらい司法書士に任せる、ということも可能です。

逆に、この時点で買い主さん側が介入して本人で申請させることは難しいです。なぜならこの登記はあくまで、現時点での所有者である売り主が行うものであって、他人である買い主に行わせることができないからです。
財産分与や贈与による所有権移転登記の準備として行う場合などで、不動産を手放す人と譲り受ける人が知り合いなら代理して申請してあげるということもあるでしょう。

とにかく、登記の記録上で所有者と記載されている人の住所と印鑑証明書・委任状・登記原因証明情報になるもの・登記申請書に記載した住所は、すべて一致していないと、所有権移転登記の申請は通りません。所有権登記名義人表示変更登記が事前に必要な場合、そのためにそろえる書類も増えますので注意すべきです。

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平日昼間、法務局に行けないときは

登記事項証明書は郵送でも請求できます

 具体的には、つぎのようにします。

1.最寄りの郵便局で『600円ぶんの収入印紙』を、請求する登記事項証明書の通数だけ(つまり、請求したい不動産の個数だけ)買います。
2.申請書の書式は(http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI79/minji79.html)から『登記事項証明書の交付請求書(コンピュータ庁用)』をダウンロードして記入します。(説明はhttp://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI79/minji79-04-s01.pdf参照)
3.その不動産を管轄する法務局がどこであるかは、(http://info.moj.go.jp/kankatsu-s.htm)で探します。不動産登記の管轄でさがしてください。申請書の送付先は、最寄りの法務局でもかまいません。
4.申請書には、必要な額の収入印紙を貼って、さらに返信用切手を貼った封筒を同封のうえ、上記でわかった法務局に送ります。
5.だいたい1週間程度で、登記事項証明書が送られてきます。

 まず登記情報だけ確認したいが、クレジットカードを持っていない(インターネットで登記情報がとれない)とか、最寄りの法務局が遠い・平日昼間にいけない場合に利用してみてください。これは全ての手続きを郵送のみで行え、インターネットにつながるPCが不要ですし、オンラインでの登記事項証明書の請求とはちがって昔からある方法です。公図・地積測量図も、請求する土地建物の所在と地番・家屋番号がわかっていれば同様に請求できます。

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公図ってなに?

登記所に備え付けられている土地の位置を示す図面は、
必ずしも正確なものではありません

これは筆者の見解ではありません。国土交通省の地積調査ウェブサイトからの引用です。

 法務局に備え付けてあり、土地の地番ごとにその形や位置関係を読みとることができる図面を大ざっぱに公図と言っています。厳密には違うのですが、用語として法務局で通じるので違いを把握する必要はないでしょう。
 1回500円で、土地の所在と地番がわかれば全国どこの法務局でも公図の写しの交付を請求できます。複数の不動産について公図をとりたい場合はおなじ1枚の写しのうえに、目的の土地が全部載っていればよいのですが、そうでなければ複数回の請求をせざるを得ず、どんどん調査費用が増えていきます。
この点から、公図は郵送での請求はしないほうがよいでしょう。オンラインや法務局での請求で、目的の土地の公図が取れたか確認しながら請求を繰り返すことをおすすめします。

 この公図、土地の境界と地番と大体の方角以外はなにも書いていない=周囲の地形や建物など、現実世界の地物との対照が難しい線画です。山林や原野になると、この公図だけでは、地理上の位置がどこにあるのかさっぱりわからない、ということもよくあります。(「公図 見本」 の画像検索結果)

 普通の人がこの公図に接する上で気を付けなければならないことは、冒頭の国交省ウェブサイトが言うように『ものにもよるが、そんなにありがたいものではない(正確でも重要でもない)』ということです。このことを、閲覧者が暗黙のうちに了解できているか否かが公図の利用では決定的に重要です。特に山林について、この傾向は顕著です。

 理由です。まず、公図は測量技術が現在ほどものすごい(100mの距離が±1ミリ程度の誤差で測れるような!)時代に作られた図面ばかりとはかぎらず、現状ではそう正確なものがそろっているとはかぎらないことがあげられます。
 次に、もとからそう正確でないところへさらにその土地を分筆したりする場合には『分筆登記申請当時の測量技術を反映して』公図へのあらたな境界(正確には筆界)線が記入されたりします。
 つまり、昭和40年代の測量成果で作られた公図に21世紀の測量結果に基づいて分筆登記をしても、公図上では昭和40年代の測量成果に拘束されて筆界線が記入されてしまいます。こうして、分筆が盛んに行われるほど、特に古い公図は、わけがわからないものになっていきます。
 さらに現実の世界において、そこで生活している人たちは公図上の線なんか意識してはいません。昔は田畑だった所をつぶして住宅地にしているような場合、公図上は存在している畦道を占拠しているように見える家などいくらでもあります。もちろん、現地にはそんな道ありません。

 その他ひどいところでは境界そのものが公図にさえ記入されていない、境界線が途中で切れている、探している地番の記載がない、はては法務局で『閲覧禁止』と言われ、頼み込んだら畳3畳敷きぐらいの大きさでどうみても戦前に作ったようなのがでてきた、というのもありました。運が悪いと、『公図ではとくにおかしな点はなかったが、行ってみたら採石場になっていて地形との照合が全く不可能』ということも。
人間の経済活動は、公図記載の線にそって行われるものとは限りません。

 ですから公図は、『さしあたり各土地の位置関係や形状を知ることができるが、せいぜい参考程度』と思ってもらえればよいでしょう。法務局の人たちが『14条(旧17条)地図』と呼んでいるものだけはかなり正確です。徐々に整備はすすんでいるというものの、時々しかお目にかかれませんが。
14条地図は地積調査に基づいて作成され境界を復元できるだけのデータを持たされた地図です。地積調査そのものが都市部ではあまり進んでいないために、14条地図はある地域(地積調査が済んだ地域)には集中して存在し、そうでない地域ではみられない、という実情になっています。

地籍図 公図よりお得なもの

 各市区町村役場の固定資産税担当部署にも、公図と同じ図面があります。これを役場では、地籍図と言っています。申請すれば、時にはA1〜A2判などの大きな紙でコピーがもらえ、1枚だいたい300円です。法務局が遠い場合や、たくさんの物件のコピーが欲しいときにはこちらのほうが割安です。どちらを使うかは、お好みで決めてください。

山林原野の調査などで地理的位置が特定しにくい場合には、法務局より役場に行った方が親切な対応を受けると思います。話がわかりにくくなると、たいていは地元の人が出てきてくれます。

 しかしながら、筆者はは伊豆半島の先の某役場で地籍図をとったときに『南北の方角が180度逆に記入されていた』地積図をみたことがあります。おかげで現実世界の地形とどうしても照合できずに半日なやんで、法務局にしまってある閲覧禁止のウン十年物の畳3畳敷きの図面を見せてもらい、ようやくこの間違いに気づきました。

 これが特に珍しいことだ、皆さんはこんなことには出会いませんよ、とは言う気になれません。
役場の地籍図と法務局の公図はどちらも一致しているかもしれません。
どちらかが間違っているかもしれません。
どちらも間違っている、のかもしれません。
公図を不動産調査に用いるには、一種の割り切った見方が常に必要です。

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地積測量図ってなに?

 前項の公図が『複数の土地の集団』の位置関係を知ることができる図面であるのに対して、地積測量図は『ある一筆の土地について、公図の記載状況を変えるような登記の際に作成される、その土地について作成される測量図』だと考えればよいでしょう。
 もし見つけることができれば、その1筆の土地についてのかなり正確な形状や寸法を知ることができます。もちろん、その当時の測量成果に基づくかぎりで、です。

 しかしながらこれは、分筆や地積更正など、なんらかの形で土地の形や面積を操作する登記をしていない土地には存在しません。『あったらいいな』ぐらいに考えておきましょう。仮に、目的の土地について存在しなくても、隣接の土地について地積測量図があれば、その隣地と自分が目的としている土地が接する状況(境界線・境界標のありさま)を確認できることがあります。
 1枚500円で閲覧でき、コピーも取れます。なお、先に述べたように公図はあまりあてにならないので、公図と地積測量図の記載がうまく合わないことは気にしない方がいいと思います。隣地が山林や原野という場合、特によくあることです。

 平成以降に入って作られた地積測量図には境界標(杭・鋲・コンクリートへの刻みなど)の設置状況が書いてありますが、これはあくまで『その当時は、そこにありました』という程度のものにすぎません。現地に行って発見できなくても、それはそういうものだと思ってください。世の中には、以前他の人が埋設した境界杭をわざわざ排除・移設して『確定測量と画地調整を行いました!私の測量が正しいんです!』とご主張なさりたい測量担当者もいます。(筆者が補助者としてはたらいていたころ、実際にみました)

概ね平成20年代に入って以降の動きとして、測量座標(XY座標で表される、各測点の位置の記載。地積測量図に記載される)を測量者が任意に定める方式から、公共座標を用いる方式にあらためられています。
公共座標で測点が記載された地積測量図がある場合は、境界標がなくてもその座標を用いて復元が可能です。逆に言うと、一枚の地積測量図から土地の境界が確実に復元できるようになったのはここ10年くらいのことだ、と考えてかまいません。

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『なあなあで』済ませるか否か

 ※ここでは『事情がよくわかっている知人同士の売買その他の不動産名義変更を、不動産業者を介さずにおこなう場合』を考えていますので注意してください。

 法務局や現地で上記の調査をおこなうと、ときには登記や公図や不動産の状況について『なにか違う』と感じられることがでてきます。明らかに見えることもあり、漠然とした不安感、ということもあります。
 土地の現状の形や面積が公図や登記と少し違う、という程度なら、購入後の用途によりますが、争いにせずに売買してしまえるか考えるのも一つの考え方です。縮尺500分の1の公図に物差しを当てて『法務局の地図では間口が10メートルあるはずだが、実際には9.9メートルしかない!』という人がいますが、だったら面積や寸法を基準にして売買しなければいいだけの話です。『実測面積より登記面積が1u多いが、地積更正登記が必要ではないか』などと聞かれることもありますが、その登記をやるための総費用は一体何十年分の固定資産税額になるのでしょう。トクにならずやらなくてもいいことを無理にやることは、私にはおすすめできません。測量してから不動産を譲渡する義務は、売り主には必ずしもない(測量すべきかどうか自体を、契約できめることができる)のです。

 測量業者や不動産業者に、いわばお客様としてクレームをつけられる場合でなく、知人間での売買なら、あまり細かい寸法や面積の差を言うことがいいか悪いかについては、慎重に考えるべきです。そうでなければ数十万円単位のお金を投じて自分で確定測量をすべきであって、しかもそこで得られるのは買い主にとっては『さしあたって正確な現状の把握』に過ぎません。
 確定測量をやったがために、自分の建物や塀が隣の土地にまたがって(越境して)立っていることがわかって大騒動になることもあります。公図の形とは全然ちがうのをアッサリ無視して現状で隣地の人と境界にかんする立会をすませ、承認をもらって『確定測量終わりました♪』という測量担当者もいます。これとは全く反対に、とにかく既設の境界標をいじらないと気が済まない人もいます。(補助者としてはたらいていたころ、それぞれ実際にみましたよ!)

境界測量時の意趣返し、もありえます

日頃なんとなく気に入らない隣人がいたとします。こうした人が確定測量にかかったところを捉えて、ここぞとばかりにいやがらせを実施し、売却計画そのものを危機に陥れる、そんな人もいます。ですから確定測量そのものが、なにかすばらしくありがたいものだ、とはどうしても思えません。測量担当者の性向と現場そのものの状況に依存して当たりはずれが激しく、結構な値段がするので事実上やり直しがきかず、必然的に隣人を巻き込んでしまい着手したらあともどりできない、しかも確実に合意して終了できるとも限らない、そういう覚悟をするならどうぞどうぞ、としか言えないのです。もちろんやったほうがいい、というのは模範解答ですが、実情を無視した理想論で紛争が発生することは常にあります。

 買い主としては、その土地の面積や形状が公図や登記簿に対して厳密に一致していることと、その土地の経済的効用とは多くの場合、あんまり関係ありません。
 むしろその土地の今後の利用計画と、隣地との関係を含む現況とが整合するかが私人間の不動産譲渡では問題になってきます。隣人と争い無くそこに物件を持っている知り合いから、そのまま物件を買い保有するぐらいならその程度の認識でいいと思います。
その土地の現状がおおむねはっきりした境目で分かれていて、隣人との争いが現に発生しているわけでなく、それに囲まれた空間に満足してその物件を買うなら、それがミリ単位の正確な寸法と小数点以下100分の1平米の正確な面積で把握されている意味って、あるのでしょうか?私は測量の実施についても、費用対効果で決めたらいいと考えています。

 もちろん市街地の土地を全くの他人に売り渡す場合には、これらの面倒をあらかじめ発生させてでもすべて解決しておかないと売却後に責任を追及される(動く金額が大きいので、『訴訟』という形をとりかねない)危険性が高まります。なにより、費用は売り主負担として確定測量を行うことが売買契約書に盛り込まれているでしょう。この場合は、売り主はカネを出して面積や境界に関する責任を逃れられる状態を確保するのだ、ということになります。そこに確定測量の価値があります。

 不動産業者を介さない知人間の売買でも、そこそこ安く、あくまで現況のみを測量してくれる人がいるなら、さっと測ってもらうのはよいことだと思います。実際に利用できている面積と登記簿記載の面積に乖離があるかないかを知っておくのは決して悪いことではないし、その土地が大きければ今後の土地の利用計画を立案するのに役立つこともあります。土地の譲渡にあたって実施するべき測量は、つねに確定測量だとは限りません。

 これに対して登記事項証明書(権利関係)の記載で納得いかない・心配な事項がある場合には、それが知り合いからの購入でも絶対に見過ごせないことが多いです。なぜなら誰かが『権利を主張するために』各々の登記がなされているわけですから。
 自分が所有権移転登記を受けたときすでに記載がある登記から明らかになっている他人の権利が行使された場合、不動産を買ったあとで自分の権利が失われるか大きく制限されるような影響を受けます。たとえば売り主がお金を借りたときの抵当権や差押え・仮差押えの登記は、売買に際して抹消してもらうことは必須になってきます。そうでないと、他人が滞納した税金や借金、あるいは裁判の行方如何で自分が持っている不動産を失うことになりかねません。かならず司法書士の相談か、少なくとも法務局の無料登記相談を利用するようにしてください。

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遠隔地の農地・山林・別荘の名義変更と現地調査

遠隔地の山林・農地・別荘や実家を相続してしまったら

所有権移転登記のみであれば、通常の土地と手続きは同じです

都市部にお住まいの方が、県外のご実家の土地建物を相続してしまう、そうした相談が増えています。
なかには農地や山林を相続される方もいて、このページを経由して相談に来られます。

適切な相続・売買・贈与等の登記を行い、登記情報上の所有者をご希望の持ち主の名義に変えるだけなら県外の実家であれ山林であれ、比較的簡単です。このコンテンツを見て適切な登記原因を判断し、必要書類を揃えて郵送で管轄法務局に提出するだけです。

この点、現地調査をするかしないか曖昧なまま遠隔地の不動産の登記で十数万円〜数十万円を取るような都市部の事務所の利用はおすすめできないものがあります。
名義を変えるだけなら自分でできる可能性が高い点で、他の不動産と違いはありません。

問題は現状の把握と、今後の管理です

ですが、相続なり贈与なりで所要の所有権移転登記だけ済ませれば安心かといえば、それは全く違います。
地元の方が土地を占有し(奪取する意図をもちながら、それを隠して占拠し)、その状態が20年続けば占拠者の時効取得を理由にあなたの不動産の所有権は失われる可能性があるからです。
こうした、狙って仕掛けてくるタイプの隣人との争いが生じたとき権利主張の根拠としたい公図は、特に山林でお話しにならない(精度が劣り、根拠にならない)ことが多々あります。地積測量図の存在など期待するだけ野暮です。

田舎の方に限らないのでしょうが、こうした土地奪取計画を実に粗暴な対応で進められる地元の方に時折会います。県外(リゾート地)に持っていたはずの自分の土地が、いつのまにか隣の家のブロック塀に取り込まれて立ち入りすらできなくなっていた、という事例もありました。

はっきり言えば不動産の不法占拠は近くに住んでいる人間が「やった者勝ち」で、県外に住んでいる不在地主と隣に住んでいる地主では、隣に住んでいる地主のほうが圧倒的に有利なのだ、と考えなければなりません。

だから、現地調査が必要です

もし遠隔地の不動産(建物・農地・山林など)の維持に関心があるならば、相続などでの取得直後に一回、あとは数年ごとに、現地を調べて現状を把握しておくことをおすすめします。
調査の後は各不動産の現状に応じて耕作や施業管理の適正な委託、特に不法占拠や不法投棄などの危険がなければそのまま様子見などの対応を考えていくことになります。当事務所ではそうしたご依頼で、茨城県から沖縄県までの出張実績があります。

県外の『山林』を相続した・名義を変えたい方へ

山林を相続した方の名義変更に関する相談が、当事務所には定期的に寄せられています。
単に相続や贈与での所有権移転登記をするだけなら市街地の土地と手続きの方法や難易度は変わらないのですが、問題は登記手続きにはないようです。

純然たる山林の場合、面積にもよりますが固定資産税が年々(とはいえ、数千円〜数万円程度)発生するわりに転売価値がありません。自治体への寄付等で管理責任を免れることも、原則としてできません。

さらに大きな問題は、その山林が人工林(人が植林した森林)だった場合は管理しなければ確実に価値を失うことにあります。
戦後、政策的に植林を進められた杉や桧などの単一種類・ほぼ同じ樹齢の木しかない森林(単木一斉林)について特にこの問題が顕著で、適切な時期に間伐できないまま放置された山林は材木としての価値も低く、風水害に対して脆弱になります。

山林だから放置しておけば勝手に育つ、と考えるべきではありません。

森林組合加入・助成金導入の検討を

間伐をはじめとする森林施業に対しては、国・県からの助成金が支給される場合が多くあります。助成率は投入費用の半額以上〜全額までさまざまですが、小規模林家が独自に申請して受給できることはほとんどありません。
通常は、地元の森林組合に加入して間伐などの施業を委託し、組合を経由して助成金を導入することになります。有力な林業家・林業を営む会社が地元にある場合はそちらに委託することも一応考えられます。

ここで、登記が必要になります

施業委託(山林)や耕作の委託(農地)の前提として、山林や農地の相続登記・相続後の山林等の譲渡があれば、それに対応する所有権移転登記が済んでいる必要があります。
遠隔地の山林や農地の保有には、名義変更・現状把握・価値減少の防止という三点の問題があるのです。条件のよい別荘地や牧草地の場合は、奪取されることの阻止、という点もあるかもしれません。

ご相談は、農学部林学科卒の司法書士兼FPへ

当事務所の司法書士は、大学で林学(林政学)を専攻していました。
測量や山林に関する現地調査の経験も有しています。
田舎の人達や田舎の団体のいい面もそうでない面もそれぞれ見ており、どんな制度や団体とも是々非々でつきあうようお客さまのために助言します。
裁判書類作成を積極的に行う事務所でもありますので、必要があればそうした手続きも安価に利用できるかもしれません。

不動産登記の申請はもちろん、現地調査・相談まで、山林と農山村の不動産所有に関する相談をお受けしています。

参考文献

この他の参考文献

不動産登記の本人申請に関するもの

売買など、契約に関するもの

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小さな事務所からの、相談のご提案

気になることをゆっくり話せるように、2時間の相談時間をとりました。

日曜日や夜間でも大丈夫です。ご自宅にお伺いしたり、県外への出張相談も。

不動産登記だけでなく、契約書作成・不動産活用・裁判手続のことにもお答えします。

相談は有料ですが、その後のメールでのお問い合わせには無料で対応しています。

本職1人・アシスタント1人の小さな事務所ですが、13年の経験があります。
大事務所と違って担当者の異動はありません。末永くお使いいただけます。




こんなときに、ご利用ください

  • 平日昼間、忙しい
  • 相手が離れたところに住んでいる
  • 登記申請書の添削をしてほしい
  • 遠くにある土地建物を調べたい
  • 費用面で有利な方法を探したい
  • 調停・訴訟など裁判手続を使いたい

こんなことができます

  • 休日や夜間の相談、訪問ができます
  • 遠くの方には、出張して手続します
  • 作った書類のチェックだけでもお受けします
  • 法務局や現地の調査をしたり、ご案内します
  • 仮登記・賃借権や信託など別の案も考えます
  • 公正証書や裁判所に提出する書類も作ります
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