誰でもできる『傍聴』のしおり

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はじめに訴訟の傍聴は、ほんとうは誰でもできるものです

このコンテンツは、裁判所で民事訴訟の傍聴をしてみたいひと、する必要がある人のために作りました。

筆者の事務所では主に、代理人を立てずに本人が直接裁判所に出頭して手続きをすすめる『本人訴訟』の支援にあたっています。もちろん依頼人の大部分は裁判を経験したこともなければ、裁判所に入ったこともありません。裁判とか法廷という言葉から連想されるのは、

  • テレビのニュースで放映される、無表情な裁判官
  • 大事件の刑事訴訟では、傍聴券を得るための抽選倍率が数十倍に達すること
  • ドラマや映画で、弁護士が華麗な反対尋問で敵対側の証人をやり込める姿

せいぜいこうしたものであることが多いようです。残念ながらこうした印象は、依頼人ご自身が遭遇する裁判所の情景とは全く異なります。それを言葉で説明するよりは実際に見てもらったほうがわかりやすいので、依頼をお受けするにあたって依頼人には時間が許す限り、事前に民事訴訟の傍聴をしていただくことをおすすめしています。

もっと積極的に、傍聴を要するひともいます。ご自分の訴訟で早期に和解できず、証拠調べ(当事者本人や証人の尋問)の期日が開かれることになってしまった依頼人には、事前に尋問の様子を傍聴することを強くお勧めしています。また、筆者自身が依頼人と一緒に証拠調べの傍聴を行って、筆談で内容を解説したりその尋問のいいところ、悪いところを説明することもあります。こうして事前に、成功する、あるいは失敗する尋問の様子を見てもらうことで、自分の訴訟でやってはいけないことは何なのかや、期日の進行がわかるわけです。

このコンテンツの読者のなかにも、上記それぞれの立場にちかい人がいると思います。何らか民事上の紛争に巻き込まれてしまって、訴訟という手続きの選択を検討している人もいれば、すでに訴訟を起こして(または、起こされて)いて、各回の期日や尋問がどう進むのかを知りたい人もいらっしゃるでしょう。

では、まず実際にやっている訴訟を見に行ってみたらよいではありませんか?傍聴なんて誰でもできるんですから!

こういうと驚く人が結構いますが、日本国憲法第82条の規定を持ち出すまでもなく『訴訟の傍聴は、基本的には誰でも自由にできるものだ』と思ってください。そして、訴訟をやる場所、つまり裁判所には当然誰でも立ち入ることができ、たとえば便所を借りて売店で買い物をして食堂でランチを取り郵便局のATMでお金をおろしてくる、ただそれだけでもまったくかまいません。もちろんそのついでに法廷を覗いて、興味がある訴訟を傍聴してきてもよいのです。

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Last Updated :2013-06-25  Copyright © 2013 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.