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提案事例訴訟と提訴前の問題

一般先取特権による債権差押命令申立訴訟にしたいが時間がない

お尋ね:私は小さな広告代理業者で経理を担当しています。突然社長と連絡が取れなくなり、会社が2ヶ月後に破産申立する予定だという連絡が弁護士から入りました。支払が止まった給料をどうしたら回収できますか?

社長が突然会社をたたみ、残った財産を隠して破産・夜逃げあるいは事業譲渡をはかる、という相談はたまにあります。計画的にこうしたことをする場合で、事業停止直前までは通常通りに事業活動が行われており、いわば見捨てられた社員の方からのお尋ねです。

提案:証拠と差し押さえる財産が十分把握できているので、一般先取特権を行使する債権差押命令申立書類を作成します

この場合、申立書は少なくとも4枚、陳述書数枚から十数枚、証拠書類十数点から二十数点および証拠説明書を作成します。このため、全額が回収できた場合には請求額が100万円未満ならその20%程度、書類枚数によっても20万円程度の費用がかかります。

別に現地調査をおこなったり、特急・急行料金を要することもあります。

説明

一般先取特権に基づく債権差押命令申立は、申立から発令までに数日〜2週間程度かかります。会社が破産するかもしれない状況下で破産開始決定前に債権が回収できる選択肢としてはほぼ唯一のものですが、これを行うには証拠が十分そろっており、差し押さえる財産も把握できている必要があります。

会社の経理担当者さんですとこうした記録や書類をよく知っている立場にあります。こうした方からのご依頼がある場合、一般先取特権の行使によって債権回収を図る希望が見えてきます。

この事例では、労働者への賃金支払い状況や労働契約については賃金台帳や労働者名簿、タイムカードを、これから支払われる売り掛け金の存在と支払時期についてはその担当者さんの記憶を、それぞれ参考にすることで債権差押命令申立を成功させることができました。

通常ならば社員を放置して社長が逃亡すれば残った社員は泣き寝入り、となるのでしょうが、未入金の売掛金等を仮差押することも異常事態発生からすぐに相談してもらえれば提案可能です。ただし仮差押による場合、破産申立がなされる前に訴訟を起こし、勝訴しておく必要がありますので破産申立が現実に迫っている場合にはこうした提案をおこなわないことが多いです。

まれなケースではありますが、条件がそろえば対応できるという意味でご紹介しました。

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情報公開制度の活用例訴訟にしたいが証拠がない

お尋ね:退職後、最後一ヶ月の給料が支払われません。給与明細もタイムカードもなく、契約書もありません

零細企業ではたらく方からのお尋ねです。社長ともめ事を起こしたり、嫌われて辞める場合にこうなることがよくあります。

助成金受給の記録を、個人情報開示請求を使って役所から取り寄せてみましょう

この提案自体は、労働相談を通じてご事情を聞くことで可能です。その後、入手できた証拠をもとに訴訟提起等の対応を検討します。

説明

賃金未払いで訴訟を起こしたいが証拠がない、というお尋ねは非常に一般的です。

しかし、その人の就労状況に応じて落ち着いてお話しを聞くとどこかに証拠が残っている、ということもまた多くあります。

典型的なのは、その中小企業が労働者の雇用を理由とする各種の補助金・助成金を受給しており、その受給の際に必要な書類として契約書やタイムカード、賃金台帳等を官公署に提出している、という場合です。

これらの記録は、請求する文書を指定できれば個人情報開示請求の対象になります。

雇用関係の助成金の多くは社会保険労務士が情報を持っているものですので、この点は社労士でない事務所に相談するより結論にたどり着きやすいかもしれません。

業種によっては就業規則等も管轄官公署に届け出されていますので、これを情報公開制度を利用して入手することも考えます。

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別の書類の活用例訴訟にしたいが証拠がない

お尋ね:残業代を請求したいのですが、タイムカードがありません。給与明細はもっていますが…

通常は、残業代の請求には各日の労働時間を把握できる何かが必要です。そうではないがなんとかならないか、というお尋ねです

提案:給与明細から就労日数や労働時間がわかるなら、その部分を集めて請求します

この提案自体は、労働相談を通じてご事情を聞くことで可能です。ただし、手持ちの書類を精査する必要があります

説明

残業代を請求してみたいが証拠がない、というお尋ねも非常に一般的です。

しかし、その人の就労状況に応じて落ち着いてお話しを聞くとどこかに証拠が残っている、ということもやはり、多くあります。

真っ先に検討するのは給与明細書です。これに就労日数や労働時間数が計上されている場合、その月のどこかに時間外労働に該当する時間があったことまでは証明できるのです。

たとえば4月の就労日数が28日あるという給与明細書があれば、その月に休日は2日しか取れていないわけですから、最低2回の休日労働があることは証明できます。所定労働時間を明らかにする労働契約書と併用することで、週40時間を超える時間外労働の存在を証明することもできるでしょう。

前項で述べた個人情報開示請求を利用して、どこかの役所に提出されたタイムカードをごっそり入手することもあります。

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Last Updated : 2013-04-20  Copyright © 2013 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.