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労働相談の前に、証拠書類は整理してメールやデジカメ・録音など、デジタルデバイスに要注意

出てこない証拠は検討できません当然ですが重要です

電子メールが証拠になるはずだ、という人がいます。最近増えています。
人によっては、それはすべて保存してあるから大丈夫だ、と断言されます。

ならばそれを確認したい、と事前にお伝えして法律相談を開始してみたら、相談室にノートパソコンを持ってきて立ち上げに2分、検索に十数分かかって結局

「どこかに保存してあるんですが…出てきません」

そんな人がいます。

資料を探しているヒマは、ありません30分の法律相談なら、特に

これはあまりにもお粗末な例ですが、相談に来た人に書類を見せてほしいというたびに相談を中断して鞄のなかから紙の書類をひっくり返してあれこれ探す、というのは日常の光景です。

当事務所のように労働相談の時間が2時間あるならともかく、30分5000円の有料法律相談でそんなことをしている時間はないはずです。

労働相談で担当者に見せたい証拠書類は別のクリアファイルなどにまとめておきましょう。
書類中にチェックしてほしい箇所があるなら付せんをつけるなどしてお持ちになることを強くおすすめします。

資料への『書き込み』はやめましょう訴訟をお考えなら、特に

この際、書類に直接ペンなどで書き込みをするのはやめてください。訴訟になったときにはその書類をコピーして提出することがあるためです。資料への書き込みをすることは、その書証の内容を作成後に変えることになりかねません。

電子メールなど、表示にコンピュータや携帯電話を要するものはできるだけ事前に印刷するか、チェックするなり別のフォルダに集約して、即時に閲覧できるようにしておいてください。

筆者の経験では、中途半端にパソコンの知識がある(モバイルルータやリモートデスクトップ、複数のスマートフォンやタブレットを使いこなせると自分では思っている)若い人がかえって相談時に問題を発生させることが多いです。

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録音を聞くのは無理相談中に聞けないか、聞いても意味がありません

これは文字通り、無理だと思ってください。
特に、30分で時間を区切られている有料法律相談では絶対ダメ!です。

法律相談で録音を聴けない理由

  • 録音ができていても、必要な箇所を検索し再生するのに時間がかかる
  • 発言者を聞き分け、会話の内容を聞き取るのに時間がかかる
  • 聞き取れても、その前後の内容がわからない

法律相談の場での録音の確認にはこうした問題があり、録音した当人としては決定的な証拠と思っていても第三者からみればお話しにもならない、少なくとも初めての相談では使える資料にならないというのは大変よくあることです。

録音してあるから聞いてみろ、とばかりに相談中に漫然とレコーダーを差し出す方もいますが、ひどい方だと必要な録音箇所にすぐたどり着く方法すら知りません。

あえて労働相談・法律相談中に録音内容を検討してもらおうという場合は、録音の内容を文字に書き起こしたものを見せるのが理想的です。
または、肝心な箇所の数十秒にかぎって即時に再生できるようにしておく(聞かせたい場所の録音時間などをメモしておく)ことをおすすめします。

しかしながら、この15年でこうした準備ができていた相談者を見たのは数名にとどまります。過半数の人は再生したい場所にさえたどり着きません。

文字起こしに、録音時間の10倍はかかります不慣れな人の場合

相談あるいは訴訟にそなえて録音した会話を文字にする(反訳する)準備をはじめると、録音の内容を文字にするには録音時間の約10倍程度の作業時間を要することがわかるはずです。
テープ起こしを職業にしているような人でないかぎり、録音時間の5〜6倍より短い作業時間で文字に起こせることはないでしょう。

それでも納得しない人がいます。そんな人には相談で

「まず1分間、録音を文字に起こしてみなさい」

と申し上げます。7〜8割の方が作業後に納得され、残りの人はその1分の録音すら文字にできずにあきらめます。

録音そのものにも、準備が必要かもしれません

最近はスマートフォンなどの普及で、会話を録音したという労働相談希望者は増えてきています。
しかし、実際には雑音が激しい・音量が低い・電話の着信で録音が中断されるといった問題があり、録音したものが労働者側に有利だとただちにわかることはほとんどありません。

あるパワハラの労働相談で、こんなことを言われました。
「上司に怒鳴られている会話を録音したが、録音を再生して確認しようとするとストレスで気分が悪くなるので聞けない」
と。

だからといってこちらで全部聞いて確認したり業者に外注して文字に起こす作業に費用を払ってくれるわけではない、ということで結局その録音は証拠としては提出できないことになりました。

録音を含めどんな証拠があっても、当事者の意志によっては何も実現できないで終わるのです。

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Last Updated : 2018-08-06  Copyright © 2014 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.