労働組合・NPO無料労働相談が一般的です

組合のために何かできるなら、どうぞ

労働相談としては利用を推奨しない相談機関です。
一部の政党が常設する生活相談も、ここに含めてよいかもしれません。
ただし、ご自分がそうした組合や団体の活動で活躍したい場合をのぞきます。

なんらか理由があってどうしても労働組合に入りたいとか、ごくまれですが職場内に労働組合を作ろうとしている場合のみ、これらのさまざまな団体が主催する無料の労働相談を利用してみるのもよいでしょう。

労働組合に加入しない場合には、労働相談の相談者には一般的な情報が提供されるだけです。
労働組合に加入すれば継続的な情報の提供や共有の機会(勉強会への出席など)が得られたり、企業側に団体交渉の要求をしてくれることもあります。労働組合から団体交渉の要求を受けた場合、会社側は応諾しなければならない義務があることが労働組合の特徴です。

このほかストライキの権利もありますが、労働者が個別に加入できる一般労組では、ストライキを合法的に実施できる、という労組の特徴は企業側にとって脅威にはなりません。職場の業務をストップさせるほどのインパクトは無いからです。

このように、労働相談あるいは労働紛争の解決のために頼る先としての労働組合には他の相談機関にはない特徴があるものの、相談担当者のレベルが全く不明でありその団体の性格(運営母体や政治的態度)、紛争解決までにかかる費用も不明(事前に示されないことがある)であるうえ、士業の事務所と違って監督官庁がないこともこれらの団体への接近をためらう大きな理由です。

会社からお金を取っても、労働者には1年以上払わない労組

筆者が訴訟記録を閲覧した訴訟では、ある労働組合が不当解雇された労働者を労組に加入させ、労組として県労働委員会にあっせんの申し立てをおこない、解決金を支払われることになったのですが、その解決金の15%の金額を労組に支払うよう求めて労働者と争いになった、というものがありました。

訴訟記録によれば、事前に労働組合から労働者に対して、15%もの費用を取るという説明はなかったようです。しかもこの労働組合は、労働者に代わって会社から受け取った解決金を1年以上も預かりっぱなしで当の労働者には支払っていなかったのです。

つまり、労働者が解雇された後の一番苦しい時期に、解雇された当人にお金を渡さなかったのです。
その間、労働組合がずっとお金をもっていた、と。

労働組合としてどうこうというより、人の道を外れている、というべきです。

この労組は今でも定期的に無料労働相談会を開催しています。労働組合の活動家にも当然魅力的な人はいるのですが、そうした人あるいは労働組合にかんたんにたどり着けず、上記のようにダメな組合にうっかり入った場合の損害が恐ろしく大きくなる可能性があり、どんな目に遭うかは入ってみないとわからないのが大問題なのです。

労働運動の職業的活動家にいわせれば、企業側に安易に荷担するブラック士業(弁護士や社労士のことを指しています)の出現を含め有用な労働相談機関が存在しないことへの回答が自分たち労働組合らしいのです。

しかし、労働組合だって黒いところはしっかり黒い、それこそ労働者の生活を破壊するほどブラックだということを経験的に知っている人は、筆者を含めてたくさんいます。単に情報が出てこないだけなのです。

少しでもまともな労組を探したい、というのであれば、次の問題がないか調べてみるのがいいかもしれません。

  • 紛争解決までの費用を明示しない

これは士業への依頼でも当たり前ですが、カンパと称してちゃんと説明することを避けるような組合とは関わりになってはいけません。

  • 執行部が長期間、交代しない

これは、労組に加入した組合員から執行部の活動を担う人材が育っていないことを意味します。組合民主主義が機能していない可能性もあります。
極端な場合には、執行委員長になった活動家を組合費で生活させるための労働組合になっている可能性もあります。法人格をとっている組合なら登記事項証明書がとれますので、履歴事項証明書をとって代表者の移り変わりを確認してみるのもよいでしょう。

  • ネット上に公開されている活動状況が、妙に威勢がいい

漠然とした言い方しかできないんですが、交渉中の相手方会社を激しい表現でけなしていたり、「○○を許さない!」といった言葉が並んでいる合同労組から脱退してきた方の相談を時折受けることがあります。

こうした闘争的な姿勢をアピールすることで、さらに加入者を増やしたい、ということなのでしょう。しかしながら合同労組の主な活動がストライキではなく交渉による権利実現にある以上、交渉その他の行動が常に成功するとは限りません。

威勢良く活動しているようだがその結果の報告はない、という場合には特に注意を要します。ある程度ニュースになるような規模の企業倒産で「賃金未払いを許さない!」としてその企業に関する無料相談会を開催し、組合加入者を募って団体交渉を申し入れ(ここまでは、大々的に活動をアピールする)その後、特に対処能力を発揮するでもなく尻すぼみ、というのは典型的なパターンです。それでも一定期間組合員を増やし、組合費は稼げます。労働組合としては損はしません。

このほか、巨大掲示板でなんらか執行部に対する誹謗中傷がでているところは一応注意が必要です。
ただ、どうも労働組合周辺の人たちは分派行動や他者への批判が大好きな面があるので、そこでかかれていることが真実だとは限りません。

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Last Updated : 2018-08-09  Copyright © 2014 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.