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残業代、二年ないなら他へ行け

他士業の無料法律相談で、複数発見された事例です。

いずれも名古屋市内の事務所での対応ですが、当事務所の労働相談で経緯を聞いてみるとどこでも一般的にあり得る対応だとわかりました。

  • その事務所では、ウェブサイトで残業代請求に関する相談を無料で行うと表示しています。
  • それに引っかかった相談者が電話をすると、すぐに「残業代の請求をする期間が2年あるか」と聞かれます。
  • 請求したい期間はそれより短いと回答すると、そこで無料相談を終了され、その事務所では依頼を受けないと言われます。

これは営業面で、非常にわかりやすいやり方です。
捨てられる相談者のことさえ無視できれば、合理的で無駄がありません。
事務所によっては、さらに「複数の労働者で同時に依頼して、残業代の請求をしてみないか」と誘われるとのことです。

なぜこんな対応が出てくるのでしょう?それが営業上、合理的な理由は何でしょう?

法律上、過去の残業代=賃金の請求権は、2年で時効にかかって消滅すると言われています。
賃金額や残業時間の変化を無視すれば、過去2年分の請求をする人の請求額はそれより短い期間の請求をする人の請求額より大きくなるに決まっています。そんな依頼を同時に複数の人からもらえれば、おなじ相手に対して論理構成や書類を使い回せます。

このことを踏まえて、請求額が大きくなる依頼=儲かりそうな依頼を選別するもっともシンプルな質問が「2年分の残業代を請求しますか?」になるのです。

質問と回答は簡単で法律的判断を要せず、電話を受け付ける事務員レベルで儲からない案件の切り捨てが可能なのも事務所経営上、理にかなっています。

筆者はそうした対応を賞賛しているわけではありません。
ただ、「事務所側の都合」にそって合理的な受付態勢が構築できたことに注目しているだけです。タネも仕掛けもある対応ということができますので、こうした回答を得てしまった方はもうその事務所に近づくことはあきらめましょう。時間の無駄です。

また、問い合わせをして法テラスにたらい回しされたり2年分の残業代請求でないからという程度の理由で断られたからといって、ご自分の請求を諦める必要は全くありません。
あなたの請求は、たまたまあなたが問い合わせをしてしまった事務所では商業ベースにのらなかったというだけなのですから。

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Last Updated : 2015-04-05  Copyright © 2014 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.