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支払督促には、異議が出るもの。未払い賃金支払いの「督促」に、なるでしょうか?

支払督促申立(裁判所での手続き)

申し立てを受け付ける裁判所(支払督促)
お金を請求する相手(債務者)の、
住所・法人なら登記上の本店・労働者の勤務先(給料の支払場所)などを管轄する簡易裁判所
裁判所ウェブサイトの支払督促の説明

支払督促とは相手次第の手続きです

未払い給料などお金の請求に際して、債権者(労働者)から裁判所を経由して一方的に相手に文書を送りつけることができ、相手が黙っていれば仮執行宣言を経て強制執行で取り立てをはじめることができる、相手が異議をとなえたら通常訴訟になる、というのが支払督促の特徴です。

相手が異議を出すのも相手から一方的にできるので、支払督促の利用において相手から異議は出るものだと冷静に考えておく必要があります。そうでないと、手続きの選択を誤ります。

必要な費用(請求額・裁判所により異なる)

10万円の請求の場合
手数料500円(請求額で変わる)
予納郵便切手1082円
(名古屋簡裁の例。このほか葉書または切手若干)
債務者が法人なら、法人の登記事項証明書600円

合計 約2182円(このほか、切手または葉書若干)

申し立てを支援できる法律資格
弁護士・司法書士
当事務所
 司法書士として書類作成を行う。請求額により、代理人として手続を行うことも可
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支払督促の特徴費用安価。ただし相手が異議を出せば妨害可

ここからは裁判所での手続の説明です。
お客さまからみて裁判の費用が高い、といわれるのは主として弁護士の報酬が高いことを指しているようです。これを避けるために、裁判所提出書類を司法書士に作ってもらって自分で申し立てを行う本人訴訟をえらぶにしても、請求額が少なくなるほど「司法書士へ支払う報酬(お客さまからすれば、債権回収の費用)」が決して無視できなくなってきます。

やむを得ないことではありますが、複数の事務所から費用に関する説明を受けて、納得できるところに依頼することをおすすめします。

○支払督促の長所
相手の事情を一切聞かず、裁判所に提出した書類が整っていれば受け付けられる。
相手が手続に協力しない場合に不利益をうける。
相手が支払督促を受け取って異議を申し出なければ強制執行できるし、異議を出しても通常訴訟に巻き込むことができる
申し立ての費用が安い。手数料が低く、予納郵便切手も少ないため。

●支払督促の短所
相手(債務者)は異議を出すのに理由がいらない。
分割払いの希望でも時間稼ぎが目的でも嫌がらせが理由でも可。対抗手段はない。
異議が出た場合は通常訴訟に移行する。少額訴訟や労働審判に移行させることはできない。
証拠が不十分なら、当然ながら督促異議後の通常訴訟で勝てない。
異議が出た場合訴訟に移行するが、このとき支払督促申立をした労働者が手数料の差額や郵便切手代を払う必要がある。

支払督促ではお金の支払いを請求できるだけです未払い賃金・解雇予告手当など

支払督促申立では相手へのお金の請求のみを申立の目的とすることができるため、未払いの給料や解雇予告手当を取り立てたい事案では利用できますが、不当解雇の撤回をもとめるようなことはできません。

懲戒解雇の無効確認と給料未払いを同時に解決したいようなときには、支払督促は選択できない手続きです。

相手が受け取らない・財産がない場合には無駄になります確実に無駄です

この支払督促申し立てにより、実現できる状態を考えてみます。

  • 『強制執行可能な状態になる(債務名義を得る)』
  • 『債務者から異議がでて、通常訴訟に移る・または思い切って取り下げる』

相手からの自発的支払いがない場合、手続きの流れを経てたどり着くのはこのいずれかです。

したがって、給料未払いでもその他の請求でも相手に対して強制執行可能なだけの財産を発見できていない場合や、そもそも債務者への送達(送ったら受け取ってくれること)が期待できない場合にはこの手続きを選択する意味がありません。

財産がありそうな場合でも、支払督促に対して債務者(労働紛争においては、事業主)が異議を出すのに理由はいらない以上、通常は督促異議が出されるものです。事業主に不当性があきらかな給料未払い事案でも、しっかりと異議はでるのです。

差押えされたい社長などいませんからいい悪いは別の実情です

黙って自分の会社の財産に強制執行されるがままの経営者など見たことがありません。たとえ請求債権が未払い給料であっても、経営者は事業用の財産を守るものです。

ですから督促異議は通常出るものと考えたうえで、通常訴訟になったときに訴訟が維持できるのか(有利な状況に持ち込めるか)を常に考えておく必要があります。手数料差額を支払えば通常訴訟につながる手続である、という特徴が利用者にとって長所になるか短所になるか、はここで決まります。

支払督促には異議が出されるのが避けられないと考えた場合、そもそも未払い給料の回収のためにこの手続きを経由する意味があまりない、と考えることもできるため、当事務所ではあまり支払督促の申立をおすすめしていません。それに関するコラムも、併せてご覧ください。

安易に選択し、失敗する方もいます給料ほか個人の方の請求全般で発生します

本人で支払督促を申し立てたがこれに失敗した場合、場合によっては申立費用を捨てて手続きを取り下げるようにお勧めすることもあります。

支払督促は手続きが簡単だ、というウェブサイトにだまされて郵送で遠方の裁判所に申立をしたような事案で取り下げに追い込まれる相談が、年に1度か2度は出てきます。これは給料にかぎらず、個人間の貸金などでも見受けられます。

たいていの場合支払督促は、労働者と積極的に対立する経営者から未払いの賃金や解雇予告手当を取り立てる目的には沿わないといえるでしょう。

補足当事務所では、司法書士として支払督促申立書作成ができます

支払督促でできるのは、正確には裁判所ウェブサイトの説明のとおり、お金の支払や有価証券の引き渡しの請求です。労働紛争に関する本コンテンツでは、お金の請求だけを考えて解説しています。

行政書士が支払督促申立書の作成をすることはできません。
『支払督促 行政書士』などのキーワードで検索される方が『支払督促 司法書士』での検索とほぼ同じくらい見受けられれますので、司法書士という語で探してみるとよいでしょう。

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