贈与・財産分与・親族間の売買不動産名義変更で、司法書士の費用を比較するために

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不動産業者が関与しない、土地や家の名義変更費用の見積もり

知り合いとの不動産名義変更いいも悪いも「皆さん次第」です

 ここでは、生きている方相互間で行う所有権移転登記として典型的な贈与・財産分与・親族間での売買をとりあげて司法書士からの見積もりの取り方を説明していきます。

 これらの手続きでは不動産業者・金融機関など「手続き全般を実現させる強い意志をもって行動し、そのために司法書士を連れてくる人」の関与がないか薄いのが特徴です。このため、当初の計画が延期・中止されることもしばしばあります。

住宅登記が好きな事務所の依頼回避もあります。面倒だからです

上記の点、つまり依頼=売り上げにつながらない可能性が高い点と立案実行すべき手続きが非定型的である点は、一部の司法書士が依頼を回避する理由になっています。
以前、自分たちのマンションを買ったときに登記をしてもらった司法書士に財産分与(離婚)でその家の名義変更を依頼したらあっさり拒絶された…というお話しは時折聞くことがあります。

この計画では依頼人は完全に自由に司法書士を選べるわけですが、依頼を受ける司法書士の態度によって最終的に実現したい目標に必ずしもたどり着かない可能性もあります。

親類が勝手にやった相続登記の後始末を『簡単な部分だけ』やって残りを放置した弁護士・司法書士の士業間連携や、依頼人が言うままに生前贈与の登記をやったあとで当事者の債権者から訴えられて登記を抹消させられた司法書士の話も、当事務所の登記相談では聞いています。

手続きそのものが妥当か本稿では検討しきれない大問題です

「○○を理由として、AさんからBさんに家の名義を変えてほしい」というご依頼そのものにはどんな司法書士でも対応する能力を持つのですが、「その不動産名義変更が適切かどうか」の検討が誰からもなされないことがよくあります。上記リンク先のコンテンツは、そうした考え方の入り口になるように作りました。

依頼人がたまたま思いついた登記申請が実行されただけで終わり、問題が起きるまでそれに気づかないというのはこの分野ではあり得るのです。これは、相続をめぐる遺産分割でも同じ危険を指摘できます。

 ですので一つの理想として、皆さんが実現したいこととそれを実現する目的をよく聞き取って時間を割いて考え、代わりになる選択肢を提案してくれたり不適切な計画なら阻止してくれる司法書士事務所を選ぶのがよい、という考え方もとれます。
ただ、そんなことを真面目にやったら司法書士側が余計な苦労をするか損する、ということは容易に想像できるはずです。この営業態度と報酬の安さを両立させる事務所の存在を期待するのは非現実的で、筆者の事務所はまず住宅登記の分野で報酬の安さを排除しました。

知人とのあいだの不動産名義変更では数値として見える要素、すなわち登記費用の安さを売りにする事務所を探すこととはまったく違う方法で司法書士を選ぶ必要性はあるものの、ここではそうした事務所の選び方は説明できません。以下では一応、皆さんが決めた贈与なり財産分与の方針が正しいものとして司法書士への見積もり依頼の準備の仕方を説明します。

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