相続・遺言司法書士の作る遺産分割協議書と費用

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作成する書類と手続き相続登記

ここでは司法書士に相続登記の手続きを依頼する場合を想定して、司法書士のウェブサイトに掲出されていたり見積書に記載されている作成書類について説明します。代表的なものは遺産分割協議書です。
相続登記の申請以外に、以下のような作業と費用が計上されるのが相続登記の特徴です。

法定相続人の調査・相続関係説明図

相続関係説明図は、亡くなられた方(被相続人)とその法定相続人、遺産分割協議を経て不動産を相続する人との関係や生年月日、本籍や住所等を記載した書類です。
相続関係説明図を相続登記の申請に添付することで、同時に提出する被相続人の戸籍謄本類をコピーしなくても原本を返還してもらえる効用があります。

行政書士のなかには、戸籍の記録を収集する親族の範囲をさらに広げたものを作成して『家系図』として作成し数十万円の費用を取るものがありますが、これは相続登記の申請と直接関係ありません。相続登記に添付する相続関係説明図はあくまで被相続人と相続人、たとえば親が死亡したならその配偶者と子どもたちが記載されていればよく、親の親や親の兄弟など先祖や親戚までさかのぼって戸籍謄本類を集める必要がないのです。

実はこの相続関係説明図、相続登記にあたって必ず作成しなければならない書類ではありません。
被相続人と法定相続人を明らかにする全ての戸籍の記録の原本をそのまま登記申請に提出して返還を受けないようにすれば、相続関係説明図の添付は必要ないことになっています。このようにしても、まさに戸籍の記録の原本によって被相続人の死亡と法定相続人の範囲は明らかになるからです。

見方を変えると、もし相続登記に必要な戸籍謄本類の収集の実費に5千円かかるなら、司法書士や行政書士がつくる相続関係説明図の作成費用に1万円だすのは経済的に不合理だ(実費を投じて原本をもう一式集め、提出してしまったほうが安上がりだ)、ということになってしまいます。

この相続関係説明図の作成とセットで行われることが多いのが、司法書士による被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本の収集の代行です。これを通じて相続人が誰であるかを調べるため、相続人調査として費用を計上する司法書士・行政書士事務所もあります。

この作業は、本籍がある市区町村役場に対する戸籍謄本類の請求にすぎません。ですから郵送でも行うことができ、発行手数料は定額小為替で支払うことができます。定額小為替を買うために平日昼間に郵便局に行けるひとで、登記申請を急がないのなら自分でできる作業と考えてかまいません。

この作業を司法書士・行政書士が代行する場合の費用はさまざまで、相続登記と一体化されていて費用がわからないもの・取得する戸籍謄本1通あたり1000〜2000円程度の報酬を設定しているもの・作業一式で数千円から数万円の定額制をとるものがあります。

一般的なのは戸籍謄本1通当たりの取得代行費用を設定している事務所です。これだと最終的に収集作業が終わるまで司法書士の費用が確定しません。すでに死亡している相続人がいてその子などに調査対象を広げる場合などで費用が高額化しやすいデメリットがあります。
当事務所では被相続人1名の相続人調査の費用について、上限を1万円と定めています。定額制に近い費用体系です。

遺産分割協議書

相続人が複数いる場合、相続人全員の話し合いで相続する遺産の内容を決めることができます。この話し合いの内容を書いたものが『遺産分割協議書』です。

お客さまによっては、「ある相続人に相続を放棄させることになった」というご意向をよく聞いてみると、ある相続人に何も相続させないことを目指しているだけで実質的には遺産分割協議書を作ってほしいというのはよくある話です。

法定相続分で遺産を共有するのはあまりおすすめできることではないため、法定相続人が2人以上いて遺言書がない相続登記の案件ではほとんどの場合、遺産分割協議書の作成が必要になります。

遺産分割協議書は、兄弟の間で親の家を相続する人を決める程度なら、自分で作成される方がいます。法定相続人全員が適切に合意していれば、手書きでも遺産の一部の分割をした遺産分割協議書でも相続登記に使用できるため、当事務所では内容が使用可能なら自作の遺産分割協議書も利用して相続登記をしています。当然ながら、他の弁護士や行政書士の事務所で適正に作られた遺産分割協議書も提供されれば利用します。

遺産分割協議書は、不動産の相続登記にかかわるものは司法書士が作成することができ、そうでないものは行政書士・弁護士が作成できる書類です。作成費用はこれもさまざまで、最低数千円から相続人調査を含んで数万円以上を要するところがウェブサイトとしては確認できます。

当事務所では、遺産分割協議書作成の司法書士報酬としてA4判2ページまでについて1万円、以後1ページ増えるごとに5千円を加える設定ですが、住宅一件と預金数件程度であれば2ページを超えることがありません。ほとんどの案件では、遺産分割協議書の作成費用は1万円台におさまります。

特別受益証明書

ある相続人に対して、相続分を主張させないために捺印させられる書類です。
不正につながる危険性があるため、当事務所では作成していません。

正しく作成・利用される場合の特別受益証明書は、遺産相続の手続きに際して証明書の作成者が『被相続人から、生前に十分な財産の贈与をうけていたので、相続分として主張できる財産は存在しない』ということを他の相続人に示すための書類です。

これを、ある相続人に『遺産を相続させないことができる』という効果に着目すると、遺産分割協議をせずに1人の相続人に遺産の相続を集中させられることがあります。親が死亡し法定相続人A,B,Cがいた場合、BとCが特別受益証明書を提出すれば自動的にAが全ての遺産を手にすることができ、Aに不動産の全てを相続させる内容で相続登記の申請もできるからです。

こうしたことから、実際には被相続人の生存中に財産を贈与されたことがない相続人に対して、特別受益証明書に署名捺印させる者がおり、相続登記申請の方針としてそれをよしとする司法書士も存在します。

筆者の事務所ではいままでもこれからも作成しない書類ですが、仮に作成するとしたら文面は単純で画一的なものなのでせいぜい500円程度を費用とすれば十分でしょう。
これで数千円を取ろうとする事務所は採用しないほうがいいし、申請のテクニックとしては存在しても事実関係を反映していない手法の提案をするような司法書士事務所にはそもそも関わらないことをおすすめします。

逆に、相続人の1人として『特別受益証明書』なる書類に署名捺印を求められた場合には、弁護士への法律相談など慎重な対応をとるべきです。

被相続人の住所に関する上申書・不在籍不在住証明書

被相続人について、ある不動産所有者として登記されている住所と死亡時の住所とのつながりを読み取れる公的な資料が集まらないときに作る書類です。

上申書は、「被相続人は登記上の住所が××市であるが、死亡時の住所が○○市であることに相違ない」、といった内容を記して法定相続人が全員で署名し、実印を押して印鑑証明書を添えることになります。

この上申書は被相続人の状況に応じて個別に異なるものを作成します。
さらに、登記上の住所には現在、同姓同名の人の住民票がない「不在住証明書」とその本籍で同姓同名の人がいない「不在籍証明書」を市区町村役場で取得することで、「登記上の住所には、いま生きている同じ名前の人がいない」ことを明らかにします。

被相続人が不動産を取得したときの登記済証(権利書)が残っている場合は、その人が登記上の所有者本人であった可能性が高い(他に発行されない書類を持っている人だから、と考える)ため上申書の作成は必要なくなります。

上申書の作成が必要な場合は、1000円〜数千円の作成費用が見積もられているのを見ることがあります。不在籍・不在住証明書は司法書士による取得代行費用は1000円内外であることが一般的ですが、当事務所では最初の1通について3000円、おなじ市役所で合計2通(不在籍証明書と不在住証明書)を取る場合は2通で3100円としています。自分で取得して費用を節約することもおすすめしています。

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