相談室からひとこと

 ここでもう一度、通常訴訟のデメリットを考えてみましょう。

期日を複数回開かねばならず解決までに時間がかかる、
手続きや主張・立証の責任が厳格で、この意味での失敗は敗訴に直結する、
『裁判をやっている』というだけでなんとなく世間体が悪い(笑)、
弁護士を頼んでも司法書士を使ってもそれなりに費用がかかる、
相手の代理人はうっとうしい、
こういった点は、確かに無視できません。

ただ、こちらが真っ当な書類を作り続けていれば裁判官はある時点で和解に向かって動き出すものだ、ということがわかっていれば手続き上のデメリットはある程度減殺できます。適当なタイミングとやりかたで譲歩できれば、とにかく多すぎる仕事を早く終わらせてしまいたい裁判官がある程度柔軟に解決へ動いてくれるからです。

ちなみに、本人訴訟のための書類作成を主たる業務とするこの事務所では通常訴訟のうち証人尋問までもつれ込む事案というのは、数件に1件程度しかありません。他の事案はそれに至るまえに、書類作成を通じて有利な和解を実現できています。

和解にあたって、やり方によっては訴訟上の請求とは全く関係ない債権の支払を含んで和解条項を作ってくれることもあるし、心証を示してくれることもあれば、調停に回してくれもします。
この点で、裁判官も交渉の対象になりうるのです。

ですから、判決まで徹底的に争うという人には本来訴訟が適するはずなのですが、忙しすぎる裁判官という事情を前提とする限りこうした態度を本気でとりつづけることは勧められないことになります。和解に応じないが主張や立証が不十分、というなら請求としては退けられざるを得ないわけですから。

なお、本気でないが徹底的に争う姿勢をみせるというのは、訴訟のみならず労働紛争解決のための各手続で非常に重要になってきます。

「老練な弁護士より新人の弁護士の方が敵に回すとやっかいだ」という人がいます。これは新人の弁護士の方が(時間も情熱もあるから)個々の事件の研究に力を注いでいるから、結果として手強くなってしまう、ということらしいのですが、これは一般の人にも言えるかもしれません。気のない専門家より一般の人の方が、熱意・知識・柔軟さ・ときに演技力(笑)これらのいずれか一つでも勝ることはあると、本人訴訟の経験者としては思うのです。

いっぽうで心情的に譲歩できない・あるいは情報収集能力や戦略的な判断力に限界がある・もともと見当違いな思惑を持ち込んでいるなど、さまざまな理由で失敗する本人訴訟というのも毎年見かけます。

そうした人たちは大抵、当事務所で相談のみを利用するが依頼には至らないのでこちらも良心の呵責を少々感じるにとどまるのですが、多少厳しい助言や意見を受けてもこれを避けない、というのは本人訴訟を戦い抜くうえで結構重要だと思います。

勝つための手段を一つ講じるより、負けないための対策をどれだけたくさん思いつき、かつ実行できるかのほうがよほど重要であって、これに気づかない素人が自壊する、というのは共通のパターンで、これは残念なことです。積極的に敵対してくる相手がいる以上、ウェブサイトで訴状の記載例や書式を探せたから勝てる、というものではない、ということはいくら強調しても足りません。

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だから、請求額が少ない通常訴訟で費用が増えにくいようにしました

念入りな打ち合わせや準備の可能性を強調しても、それで費用が増えたら困りますね。

ですから当事務所の労働紛争に関する裁判書類作成の報酬体系では、書類作成の報酬を請求額の5%と実際支払われることになった額の15%の合計という形で上限を設けました。
この方法の長所として、請求額が小さければ他の事務所より相当安価な料金になるほかに司法書士が書類をたくさん書こうが書くまいが依頼人からすれば、大事なのは結果だという実情によく適合することがあげられます。

そして、請求額が大きくなる訴訟においても「最終的な料金の上限は実際に支払われる額によって決定するので、予測しやすくわかりやすい」という長所を残します。実際には、1枚当たり5千〜6千円の書類作成枚数で計算した料金と比べて、安価な方を料金としています。

特にサービス残業をめぐる労働訴訟は複雑になりやすく、訴状や準備書面も必然的に大量になる傾向があります。だからといってこの負担を、書類1ページいくらという形で、作成したつどそのまま依頼人に支払を求めると大変なことになりかねません。
ですから労働訴訟の書類作成で当事務所では、通常は作った書類の枚数は料金に影響させないのです。

たまたま早期に和解できた場合など、書類作成枚数が少なく終了した場合には書類作成の枚数にしたがって料金を決定します。請求額や回収額に対する割合と書類作成枚数のいずれか安い方で計算して料金を決める、というのはそういう意味です。

また、書類作成や訴訟代理を誰かにさせる必要はないと考える方のために、ご自分で作成された訴状等の裁判書類を添削したり、本人訴訟に必要な裁判書類作成について相談に応じることもおこなっています。
この場合は、事前に検討すべき書類等をお送りいただければ電話での相談が可能です。

労働紛争とは関係ないご依頼や事案が特に複雑な場合は、書類作成枚数によって料金を定めるか、別に上限を定めます

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