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給料未払い準備する書類・相談機関の特徴

持参書類労働相談時に検討することが多い書類です

基本的な書類どんな相談担当者でも見るでしょう

  • 労働契約書または雇い入れ条件通知書
  • 給与明細書
  • 離職票
  • 給料未払い・支払い遅延に関する雇い主側の連絡文書

賃金額がわからない場合一部の担当者は相談回避しはじめます

  • 職安の求人票
  • 求人広告(求人に関するウェブサイトの写し)
  • 源泉徴収票

これらがない場合当事務所でも難しいですが、たまに発見があります

  • 毎月の給料支払額と未払いの額を書きだしたもの
  • 雇い主とのメールやLINEのやりとり(賃金額に関する合意を探索します)
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相談機関

  • 労働基準監督署(総合労働相談コーナー)
  • 法テラス・弁護士会が実施する労働関係の法律相談のうち、無料のもの
  • 弁護士・司法書士(民事法律扶助その他の無料法律相談を行う事務所)

まずは、労働基準監督署での相談を考えましょう無料ですから。それが理由です

1ヶ月〜数ヶ月程度の給料未払いに関する労働相談で一般的な説明を聞きたいだけであれば、労働基準監督署(総合労働相談コーナー)での相談を推奨します。これは無料ですし、場合によっては賃金不払い(労働基準法違反)としてその相談を扱い、是正勧告を出してくれることがあります。

会社が倒産したかその可能性があり、未払賃金立替払い事業の適用を受ける必要がある場合には、労基署への相談は特に推奨します。
これは適切な助言を得るためというより、立替払いの申請を担当してくださる方との意思疎通を期待するという思惑もあります。

社会保険労務士会の労働相談を使ったほうがいい場合一応あります

給料未払いが2ヶ月以上あって、そのために自発的に退職したとか、在職時に雇用保険に入っていなかった(被保険者資格を取得していなかった)場合にのみ、社会保険労務士会の総合労働相談所への相談を推奨します。

給料未払いの問題と雇用保険の扱いの問題をリンクさせて参考になる回答を引き出したい場合は、行政やその他の士業より労働相談に適します。

弁護士や司法書士に法律相談を持ち込んでしまった場合に、雇用保険の給付について適切な対応が出てこないことがあります。筆者の事務所ではそうした事例を扱ってしまうため問題点に見えますが、業界全体としてどれだけ雇用保険の制度に関心を持っているかは不明です。
労働相談先としての社労士は雇用保険に関する知識を十分持っていることが期待できるので、こうした相談先の切り分けができることになります。

一般的な情報提供は、自治体等の労働相談でも

このほかの労働相談先として、使用者への積極的な指導を期待しない場合は地方自治体が定期的に開催する労働相談を利用してもかまいません。

各県弁護士会でも、労働紛争に関する法律相談を有料または無料で行っているところがあります。以下に平成28年7月現在での説明ページへのリンクをまとめました。
常設のほか臨時に開催する相談会もありますので、地元の弁護士会のウェブサイトを調べてみてください。

民事法律扶助による無料法律相談弁護士・司法書士が対応 全ての事務所ではありません

請求できる未払い給料等の金額が140万円以下の場合には、司法書士による法律相談も可能です。
司法書士による法律相談を勧めているわけではありません。士業のうち、司法書士と弁護士は各事務所で民事法律扶助の制度を利用して無料法律相談を行うことができるので、事務所によってはこれに対応しています。民事法律扶助制度の利用は可能でも法テラス各地方事務所で名簿を公表してもらっていない事務所もありますので、各事務所に直接確認してください。

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専門家への労働相談が依頼につながるわけではありません

給料未払いの相談を士業の事務所でおこなう場合、労働問題の相談までは受け付けてもらえてもその後の依頼を受けてくれる事務所が見つからないことがあります。

特に訴訟代理の依頼では、事務所により次のような実情があります。

依頼そのものを断る

よくある、非常にわかりやすい対応です。
後で説明する着手金の最低額とあわせて、数十万円程度の請求では費用倒れになるから依頼を受けないという説明がなされることも多いです。

事務所によっては電話やメールでの問い合わせそのものに対応しないということもありますので、この場合は依頼を避けられていると考えてください。

時には労働相談中にはっきりと泣き寝入りを勧めてくることもあります。
ウェブサイトで「電話での無料法律相談」を集めている大きな事務所でろくに話も聞かれずに泣き寝入りを推奨された場合は、単にその労働紛争に興味がないというだけなのであまり気にする必要はありません。お金儲けが好きな事務所には捨てられた、つまりその案件が儲からないものだという一面は認識しておいたほうがいいです。

安易に無料相談ばかりをさがし続けると、泣き寝入りばかりを勧められかねません。しかし、これは士業の側からみれば順当な対応なのかもしれません。

自分での申立・司法書士による書類作成依頼を勧める

ソフトではありますが、誠実ではないやり方で依頼を回避するものです。

筆者からみたら非常に緊急性の高い給料未払いの労働相談で、相談者に対し「司法書士さんに支払督促の申立書を書いてもらったら」という法律相談を経由してこられた方がいます。
一週間後の入金をどうやったら支払督促の申立(強制執行できるまでに二週間以上絶対かかる手続)で捕捉できるのか理解しようもないのですが、依頼を回避するために本人による適当な申立を勧めたり、他士業の法律相談で司法書士に依頼して書類作成させてみろという助言が出てくる場合は注意を要します。

これは、相談者のためになる提案ではないかもしれません。
自分が依頼を受けたくないからそう言っただけかもしれないのです。

最低着手金が10万円

これは昔からある応対です。
実務家にしてみれば、むしろ当然の対応なのかもしれません。

着手金の最低額が10万円である以上、訴訟代理の依頼を受ける場合はまず10万円必要ということです。
成功報酬は別にかかります。

たとえば2ヶ月分の給料未払い約40万円を請求するために代理人になってくれるよう依頼するとして、依頼の時点で10万円かかるわけです。

このような説明を受けた場合、労働者側で依頼をためらうか諦める人は多いと考えます。

先に述べたように有料・無料の法律相談の段階で、自力で訴状を作成して代理人を立てずに訴訟を進める本人訴訟での対処を検討するように推奨されることもあります。これは、本当にそれを勧めたいのか自分の事務所で依頼を受ける気がないからそういうだけなのか不明です。

訴訟を進める難しさや具体的な注意点について何の説明もせずに、投げやりな感じで本人訴訟を勧められた場合には遠回しに依頼を避けられていると考えてよいでしょう。

こうした実情がありますので、給料未払いで弁護士・司法書士の事務所が有料でおこなう法律相談をいきなり利用することはあまり推奨できません。

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Last Updated : 2016-09-21  Copyright © 2014 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.